本書の著者であるアントニオ・コレリ氏というのは、アンダーグラウンドで活躍している研究家らしい。
まあ、有り体に言えばかなり素性が謎につつまれているといっていいだろう。
しかし、氏は元修道士であり、かつてはバチカンの極北布教計画実施の際、特命神父として活躍したこともあるという。
そのあたりは、本書を読んでいただければ分かるが、かなりファティマの予言に関して紙幅を割いていることからも予想がつく。
ファティマの第3の予言に関しては、様々な憶測が飛び交っているものの、未だ一般には開封されていない。
そのファティマの第3の予言なのだが、この解読作業はイタリアの某修道院で行われているとのことである。
そして、その第3の予言を氏は手に入れて本書に掲載している。
かなり長い量である。
書かれたのが20世紀末ということもあって、かなり世紀末的記載も多い。
つまり、ハルマゲドン的なことを書いているのであるが、とりあえず21世紀に突入した現在となっては安心して読める内容である。
しかし、氏は2012年までの地球の変化について書いているので、そのあたりはまだ予想がつかない。
太陽フレアの影響や、ポールシフトのことにも触れている。
日本を含むアジア各地の天地災害にもかなりくわしく触れて分析しており、その点ではこれから生活を送る上での重要な点にふれているといってよかろう。
また、最終章ではアメリカ在住のゴードン・マイケル・スキャリオンという預言者のことについて述べている。
G・M・スキャリオンは著者の友人であるそうで、アメリカでは現代のエドガー・ケイシーとよばれている人物らしい。
彼の予言は99%が当たっているということなのだが、「2000年までにポールシフトがおこる可能性については100%」という予言に関しては外れている。
すくなくとも、20世紀中にポールシフトが起きたという話はない。
翻訳家であり、また超常現象研究家である南山宏氏は、「予言はそれが当たることが重要なのではなく、逆に当たらないことに意義がある」と述べているが、それはG・M・スキャリオンのような預言者にもいえることだろう。
予言をあまりにも重要視してカルト宗教に走ってしまう若者が多い中で、氏の発言というのはかなりの重要度がある。
また、これも南山氏が指摘していることなのだが、原書の訳というのはかなり気をつけなければならないということだ。
エドガー・ケイシーがカリフォルニアと日本が沈没するといった予言を残し、それが外れたという指摘があるが、これに関しても、原書に忠実に訳すと、決してエドガー・ケイシーは「沈没する」とは言っていないそうだ。
沈み始める
と表現した方がよいらしい。
だから、予言に関してはわれわれはかなりの注意度を持って接しなければならない。
また、ファティマの予言についてだが、既刊の雑誌ムーによると、ヨハネ・パウロ2世は第3の予言を公開しようとしたらしい。
そしてそれを握りつぶしたのが、何を隠そう、枢機卿時代の現法王のベネディクト16世だというのだ。
ファティマの予言に関しては、シスター・ルシアも他界した今となってはこれからどうなるか予想もつかない。
人類の未来という観点からすると、新約聖書のヨハネの黙示録におけるハルマゲドンに注目すべきなのはとうぜんなのだが、著者はそれに加えて聖書外典・偽典である、トマスの黙示録、ペテロの黙示録、パウロの黙示録をあげてあらたな視点から未来を指摘している。
本書の8割はすでに時期的に過ぎたことであるから安心して読むことができる。
しかし2割程度はこれからのことなので、十分ありうることであって、また注意を促す内容となっている。
21世紀の我々人類共通のキーワードは「アース・チェンジ」である。

